process7 駐輪台数の配置と計算方法

共同住宅を設計するためにする100のこと

共同住宅の設計において、避けて通れないのが「駐輪場」の計画です。 各市区町村の条例や要綱によって「1戸につき1.5台〜2台」といった高い設置基準が求められることも多く、限られた敷地内に数十台分のスペースを確保するのは至難の業です。今回は、限られたスペースを有効活用するための「2段式ラック」と「スライドラック」を用いた駐輪台数の計算方法を解説します。

1. 2段式ラックの計算方法

下部スライドラックの上部に自転車を収容するタイプです。

計算式

《【L(設置間口)- A(端部ハンドル飛出し)× 2】/ ラックピッチ 》 + 1 ※《 》内は小数点以下切り捨て

  • 端部ハンドル飛出し(A): 350mm(余裕を見る場合は500mm)
  • ラックピッチ: 450mm(余裕を見る場合は600mm)※メーカーにより異なる
計算例(間口6000mmの場合
  • 標準: 《【6000mm - 350mm × 2】 / 450》 + 1 = 12台
  • 余裕: 《【6000mm - 500mm × 2】 / 600》 + 1 = 9台

2. スライドラックの計算方法

左右にスライドさせて出し入れのスペースを作るタイプです。

計算式

《【L(設置間口)- A(端部ハンドル飛出し)× 2】/ スライドラックピッチ 》 ※《 》内は小数点以下切り捨て

  • 端部ハンドル飛出し(A): 350mm(余裕を見る場合は500mm)
  • スライドラックピッチ: 300mm前後(余裕を見る場合は350mm、最小280mm程度) ※スライドさせるための「余幅」を考慮した平均的なピッチです。
計算例(間口6000mmの場合
  • 標準: 《【6000mm - 350mm × 2】 / 300》 = 17台
  • 余裕: 《【6000mm - 500mm × 2】 / 350》 = 14台

【注意点】 スライドラックは「20台ごと」に区切って計算する必要があります。20台以上連続すると、重くてスライドさせるのが困難になるためです。また、5台以下の少数の場合はこの計算式が当てはまらないことがあるため、メーカー確認が必須です。


では駐輪機のスペースを確認していきましょう。

3.駐輪機の設置寸法(スライドラック)

スライドラックを計画する際は、機器本体の寸法だけでなく、メンテナンスや出し入れのための「通路幅」の確保が重要です。

設置スペースの目安
  • 壁からの離隔: 躯体壁より 50mm 離して設置
  • 機器の奥行: 2160mm
  • 【注意点】 2段式ラックは天井高が約2550㎜~2600mm程度必要です。梁下や上階の排水管がある場所では設置できない場合があるため、断面計画に注意しましょう。

通路幅の目安
  • ラック同士が向かい合う場合: 通路幅 1800mm 以上が必要
  • ラックと壁が向かい合う場合: 通路幅 1650mm 以上が必要

4.駐輪機に関わる注意事項

  • 建築面積に関わる屋外設置の駐輪機屋根のサイズは奥行2350㎜
  • 駐輪機部分の延べ床面積の算出はスライドラック設置部分の投影面積と2段ラック(上段)設置台数☓1.2㎡を延べ床面積算入
  • 駐輪機屋根は耐火構造ではないため敷地内に付属建物として駐輪機屋根がある場合、建蔽率緩和規定の防火地域にある耐火建築物は使えなくなる
  • 敷地内に付属建物としてバイク置き場の屋根がある場合は本体建物の壁(バルコニーや屋外共用廊下先端ではない)となる部分の中間に延焼ラインの中心線が発生します。

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